低温を綴じて、なおさないで



「……栞のはじめてが俺じゃないの、めちゃくちゃむかつく」


「……それはお互い様でしょ」


「もうこれ以上、増やさないで」


「それはプロポーズ?」


「プロポーズは栞のキャパ超えるくらい最高なものにする予定だけど」


「……その発言がプロポーズなんだけど、そのときはとびっきりの笑顔で受け取るね」
「はは、それも承諾に等しいな」




エアコンから送り込まれる暖かい風が、部屋中を巡る。

きみの低い体温が溶けてゆく。誰よりも温かくてやさしいひと。




これまでもこれからも、ずっと一緒。

嫌ってなっても離してあげないから、覚悟してね。



きみと綴じる思い出が、更新され続けていきますように。




⸝⸝꙳



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