低温を綴じて、なおさないで
改めて見つめれば、直の瞳が余裕なさそうに熱っぽく細まった。わたしの頭をやさしく撫でながら、腰に回った腕は力強くて逃れられない。
「俺のこと好きでいてくれてる栞が隣にいて、何もしないの、無理」
「……いいよ、直のこと、だいすきだから」
「っ、我慢できない」
手に待っていたペットボトルのいちごみるくが奪われて、唇が重なる。飲み物なんて飲ませない、と言わんばかりに。
「なお、すき、」
「……っ、ごめん、今から言うこと、引かれるかも」
「引かない」
直の顔が歪む。綺麗な顔は歪んでも綺麗なまま。わたしを抱きしめる力がもうひと段階、強くなった。