孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
翌日。
早番勤務で早朝五時から仕事をした日は、お昼過ぎには制服を脱ぐことができる。
遅番交代との連絡事項の申し送りを終え、事務所を出たのが十三時半過ぎ。
更衣室で着替えと身支度を整え、十四時前には関係者通用口を歩いていた。
もう間もなく、遥さんが操縦桿を握るニューヨーク発羽田空港行きの便が帰ってくる。
定刻通りだというから、そろそろだろう。
展望デッキに向かう時間の余裕がなく、空港ロビーに舞い戻る。
ちょうど着陸態勢に入ったうちの会社の旅客機の姿が向こうに見えてきて、小走りでガラス窓に近づいた。
心の中で「おかえりなさい」と呟く。
旅客機は安定した状態で車輪を出し、無事に滑走路に着陸した。
帰ってきた旅客機を見つめながら、今度は遥さんが飛ばす飛行機を描いてみたいと漠然と思った。
着陸する旅客機があれば、離陸していく旅客機もある。その行き来は、いくら見ていても飽きない。
しばらく離着陸を眺めていたけれど、ふと今晩は遥さんが帰ってきて一緒に食事ができる日だと思い出した。
遥さんより先に帰宅して、買い物に行って食事の支度をしよう。
そう思いながら帰ろうとした時だった。
「真白」