孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「やっぱり天使だな。俺の天使」
私たちしかいない控え室で、遥さんは背後から私を抱きしめる。
姿見に映る自分たちの姿に、ふたりして笑みをこぼした。
「遥さんも、直視するのが照れるくらいカッコイイです」
そんなことを言うと、遥さんは後ろから私の頬をつまんでつぶす。「なに言ってんだ」と苦笑した。
控え室のドアがノックされて、慌てて体を離す。「はい」と返事をすると顔を見せたのは祖母と奈子、蒼の三人だった。
「お姉!」
私の姿を目にした奈子が悲鳴に似た声を上げて駆けてくる。
祖母も顔をほころばせ、蒼はどこか緊張したような面持ちで揃って控え室に入ってきた。
「お姉、すごい! 綺麗すぎる」
奈子はすぐ目の前までくると、まじまじと私のドレス姿を見ている。
「お義兄さんも、世界一かっこいいです……!」
奈子は眩しいものでも見るようにして、遥さんのことも褒め称えた。
そんな妹の姿を、遥さんも微笑ましく見てくれている。
「真白、遥さん、今日はおめでとうございます」
祖母が私たちに祝福の言葉をかけてくれると、奈子も蒼も「おめでとうございます」と口々に祝ってくれた。
「おばあちゃん、奈子、蒼、ありがとう」