孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
ショッピングモールでの買い物を終えると、夕食を食べて帰ることになった。
連れて行ってくれたのは、炭火焼きグリルの料理を楽しめるレストラン。
すぐ目の前にはお台場の海が広がり、ライトアップされ始めたレインボーブリッジも望める。
お店は一階の店舗。オープンテラス席もあり、暗くなり始めた店前に焚かれた松明が目を引いた。
入店すると、窓際の席に案内される。
「考えてみたら、ちゃんと外食をするのは初めてだな」
「そうですね」
初めて話す約束をした時はアフタヌーンティーだった。
こういうレストランでの食事は初めてだ。
「ビールでも飲みたいところだけど、ノンアルコールだな」
「炭火焼きグリルの料理とビール最高ですね」
先にドリンクメニューからノンアルコールビールのグラスをふたり分オーダーする。
「真白は肉も魚介も嫌いなものはない? 好き嫌いを聞いていなかった」
食事のメニューを眺めていた遥さんが向かいの私に視線を向ける。
「ないです。肉はなんでも好きですし、魚介類も。エビとかホタテとか、好きです。好き嫌いもないですよ」
「じゃあ、適当に頼むか」
ノンアルコールビールを運んできたスタッフに遥さんが食事のオーダーをする。
炭火焼きで肉や魚介類を食べられるなんて楽しみだ。