バツイチ美女と 御曹司
マリはフロントの方を指し示す。

優依が顔をむけた。

と突然マリの手をつかんで無理やり
ひっぱって歩き出す。

ウエイターにすぐに戻りますと
伝えてバッグも何も置きっぱなしで
どしどしとフロントに向かっていく。

マリは呆けたようについていくしかなかった

優依には相原の事もすべて話してある。

いつもいい加減に見切りつけなさいと
言われ続けていたのだ。

フロントでイチャイチャしながら
チェックイン中の二人の横に割り込んで
優依が梅原に向かって話しかけた。

「あらあ、梅原先生!奇遇ですね。
こんなところでこんな時間に、
お会いするなんて嬉しいですわ。
それにそちらにいらっしゃるのは
きっと奥様ですよね。先生の奥様は
若くて美人で上品な方とうわさを聞いています。
ほんとに素敵な方。ねっマリ」

とマリに振ってきた。

マリはただニコッと笑っておいた。

梅原はゴルフ焼けした健康的な顔色で
落ち着いた雰囲気のそれなりにイケメンに
入るだろう整った顔をしている。

だがしかし突然現れた二人を見て、
顔面蒼白で言葉も出ない。

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