バツイチ美女と 御曹司
「ホテル・ラ・ルミエール東京様には、
私の働く円山花壇と実は実家の藤原屋も
お世話になっているんです。
今ちょうどFUJIWARAYAで、甘味でも
食べて帰ろうかと思って寄る
ところでした。何かご用件が?」

と首をかしげて問いかけるマリに

「うっ、かわいい」

とつぶやいた研吾の言葉は
マリには届かなかった。

「じゃあ、僕も一緒にいいですか?
先ほどのお礼もしたかったんで
丁度良かった」

と研吾は、マリの腰に手を回すようにして
エスコートしようとすると、

「こら、研吾。俺の彼女を誘ってんじゃない
相変わらずいい女とみると見境いないな。
お前はほんとに困ったやつだ」

と裕が怒ったような低い声で研吾に
突っかかっていった。

「裕さん」「裕」

と二人のびっくりした声が重なった。

「マリがラ・ルミエール東京のロビーの
活け込みに駆り出されたと聞いたから、
見に来たんだ。
今日休みだったのに、ごめんな」

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