Star Shurine Gardian ―星の大地にある秘宝の守護者―

毒婦

 ある日の夜。マルケブは男の一室で裸になっていた。大きく実った胸をさらし、男の顔を包み込んでいる。
「ん……ふっ」
「いいのよ。思いっきり顔をうずめて」
 その後、男と最後まで抱き合う。ほとんど毎日、そんなことを繰り返していた。
「ふうっ、よかったよマルケブ。じゃあこれで…」
 と、男は2枚の大きなコインを出す。マルケブは「じゃあね」とそれを受け取り、そそくさと出て行ってしまった。

 マルケブは、東の都の繁華街を歩きながら物思いにふける。
 いつからだろう、子供たちに嫌悪感を抱くようになったのは……。夫が家を出て行き、最初は死にものぐるいで家事育児と仕事をしていたけど――ある日、緊張の糸がプツッと音を立てて切れた。
それ以来、家事も育児もやる気が起きなくなった。非正規の仕事は無断欠勤が増えてクビになり、生活保護を受けなければならなかった。でも、そんなはした金は子供の食費に消えていく。学舎に通わせるのも難しくなった。
そこである時、繁華街で声を掛けられて水商売の道に入った。最初は男とお酒を飲むだけだったけど、一緒に歩く時間ができ、割り増しのお金で一夜を共にすることも増えた。実入りがそれなりによく、やめられなくなった。それに、夫がいない寂しさも紛らわすことができた。男はみんな優しかった。夫が冷たすぎたのかもしれないけど。
気が付くと、酒と不特定多数の男の体がなければ生きていけなくなってしまった……。

 今日もまた繁華街を歩く。指にはめられた宝石の指輪を見つめながら。かつての夫がくれた宝物。だけど、今ではもう無用の長物かも――。それにしても、中つ都もそれなりの規模だったけれど、やっぱり東の都は星の大地一番の都ね。言い寄ってくる男も多い。お酒もおいしいし、快楽に身をゆだねられてうれしい。でも――

 ナニカモノタリナイ……

 どうしてだろう? 自分の望むものがたくさんあるのに。なんで?
 カノープスとけんかして家を出たものの行く当てがない。そこで、体を売って生活するようになった。マルケブは40歳を過ぎていたが、美貌や肉欲をそそる体は健在だった。放っておいても、男の方から寄ってくるのだ。
 そんな時、ふと大通りの横道を見ると、2人の少年が泣いていた。あら? あの子たち、どこかで見かけたことがあるような……。
マルケブはその小道に入り、声を掛ける。
「あなたたち…確か、天牢庵の」
 泣きじゃくる2人の少年――ガクルックスとアクルックスが顔を上げた。
「あ、カノープスのお母さん?」
「どうしたの?」
「ひっく…天牢庵から出て行けって言われたんです」
 マルケブは2人の少年を、近くの宿屋兼休憩所に連れて行った。本来なら未成年を連れ込んではいけないのだが、金を少しはずめば大目に見られることが多い。
「どういうこと? 訳を話して」
 マルケブはベッドに腰掛け、優しい声で聞いた。
 2人もベッドに腰掛けてとめどなく話した。自分たちに紫微垣の資質がないと分かったこと、実家に帰ろうと思ったら父親が引き取らないと言ったことなど……。さらに
「カノープス、俺たちを差し置いて紫微垣の候補生になったんです…」
 泣きながら訴える。相当プライドが傷ついたのだろう。するとマルケブは2人を優しく抱き寄せた。
「辛かったね……」
 マルケブも母親である。子供が辛そうに泣く姿に、慈愛の心が働いたのだろう。2人の少年はしばらくマルケブの胸に顔をうめて泣いた。
 しかし……マルケブの心にいつものどす黒い欲望がわき起こった。
「ねえ、心だけでなく、体も癒やしてあげる」
マルケブは、2人を少し離し、腰掛けたままで上着、シャツ、スカートと服を脱いでいく。上下の下着を脱ぎ払い、裸になった後、呆然とする2人の顔を自分の左右の乳房に押しつけた。
「んん!」
 顔を真っ赤にする2人の少年。その様子を見て、マルケブは妖艶に微笑んだ。
「んっ……吸っていいのよ。むしゃぶりつきなさいな。赤ちゃんに戻った気持ちで」
 2人が恥ずかしそうに吸うと、マルケブは「んふっ」とうめき声を上げた。
「若い男って、活きがいいわね。今度はあなたたちの精力を見せて……」
 そう言いながら、マルケブは2人の服をはぎ取る。2人の少年は動揺するものの、わき上がる欲望に抵抗することができない。3人全員が裸になった時、マルケブがガクルックスの上に馬乗りになり、立っていたアクルックスの股に口を持ってきた――。

「ふう……」
 部屋の中が静かになった。先ほどまで3人の嬌声が響いていたのだ。マルケブは、2人の精を口や下にそれぞれ3回受けた。いや、自分から貪るように吸い取ったと言ってもいい。それでも満足できず、2人の少年の顔を乳房に当て、股も両手で握ってもてあそんでいる。
「あなたたち、もう天牢庵には帰れないんでしょ? だったら、私と一緒に来ない?」
< 142 / 197 >

この作品をシェア

pagetop