Star Shurine Gardian ―星の大地にある秘宝の守護者―
師弟の死闘
2人の剣がぶつかる音が、夜空に鳴り響く。その剣戟はあまりにも速く、シリウスでさえ目で追うのがやっとだ。もう30分も戦っている。
「師匠!!」
「動くな!!」
珍しくアルクトゥルスが怒鳴った。
「お前は深手を負っている上に、今、七星剣が手元にないんだぞ!! 師の命令だ、回復に専念しろ!!」
アルクトゥルスの七星剣はアルタイルの魔剣と切り結んだままだ。あれだけシリウスがてこずった相手に拮抗している。さすがは正式な紫微垣である。
シリウスは何とか加勢しようと体を起こそうとした。が、まだ回復が終わらないため起き上がれない。
「くそっ、まだかミラ!」
「これでも早くやっているよ!!」
「まずいわ。このままでは……」
3人に焦りが生じてきた。見たところ、技量、力を勘案するとあの2人の実力は互角だ。しかし、アルクトゥルスの方が高齢で体力的に不利である。早く加勢して決着をつけなければ……。
そう思うものの、彼らの剣戟はどんどん速くなっていき、残像すら目で追えなくなってきた。剣と剣が触れたときの火花が、空気中のあちらこちらで光る。
(万全の体でも加勢できるか分からん。だが、師匠を放っておけない!)
ある程度回復したのを見計らって立ち上がろうとした。が、足に激痛が走る。
「シリウス! 折れた足はこれからよ!!」
「くそっ!」
立ち上がれないことがこんなに歯がゆいとは――!
それにしても気になるのはアルタイルが「元弟子」ということだ。ヤツは紫微垣の候補者だったのか?
とにかく、足を治さなければいけない。ミラは相当な集中力で回復してくれている。シリウスもこの腕輪で治癒の術は使えるが、熟達度は彼女の方が上になるかもしれない。
それでも、体の2カ所を骨折しているため時間がかかる。完治するまでに師が耐えきれるか……。
「四の秘剣・破(やれ)十字!」
七星剣がコラプサーに巻き付いた。が、アルクトゥルスが引っ張っても折れない。
「くっ……」
「残念だったな。この魔剣は破十字では折れんぞ」
小馬鹿にしたように言うアルタイル。コラプサーの刀身が太すぎるのだろう。すぐに七星剣をコラプサーから離し、間合いをとる。今度は槍に変形させた。
「三の秘剣・三連突き!!」
穂先がアルタイルを襲うが、かわされる。
「はあ、はあ…やりおるな、アルタイル。わしのもとで修行していた時より腕が上がっておる」
「ふん。俺が強くなったのもあるが、お前が弱くなったんじゃねえのか?」
アルタイルは侮蔑に満ちた表情でアルクトゥルスを見る。
「お前ら紫微垣は、迎撃や守備に重きを置くから、敵を確実に仕留める技がない。相手を殺すための技がなければ俺は殺せねえんだよ」
鋭い指摘だった。ここまで力の差があると、手持ちの秘剣では倒せないだろう。
「それなら…」
アルクトゥルスは剣を元の形に戻した。
「観念したようだな、死ねえ!!」
アルタイルが突進してくる。コラプサーと七星剣が触れそうになった瞬間、アルクトゥルスが叫んだ。
「八の秘剣…」
八!? 八の秘剣だと!? その場にいた全員が驚いた。秘剣は七つまでではなかったのか!?
2人の剣がぶつかると、まばゆい光がほとばしった。
「師匠!!」
「動くな!!」
珍しくアルクトゥルスが怒鳴った。
「お前は深手を負っている上に、今、七星剣が手元にないんだぞ!! 師の命令だ、回復に専念しろ!!」
アルクトゥルスの七星剣はアルタイルの魔剣と切り結んだままだ。あれだけシリウスがてこずった相手に拮抗している。さすがは正式な紫微垣である。
シリウスは何とか加勢しようと体を起こそうとした。が、まだ回復が終わらないため起き上がれない。
「くそっ、まだかミラ!」
「これでも早くやっているよ!!」
「まずいわ。このままでは……」
3人に焦りが生じてきた。見たところ、技量、力を勘案するとあの2人の実力は互角だ。しかし、アルクトゥルスの方が高齢で体力的に不利である。早く加勢して決着をつけなければ……。
そう思うものの、彼らの剣戟はどんどん速くなっていき、残像すら目で追えなくなってきた。剣と剣が触れたときの火花が、空気中のあちらこちらで光る。
(万全の体でも加勢できるか分からん。だが、師匠を放っておけない!)
ある程度回復したのを見計らって立ち上がろうとした。が、足に激痛が走る。
「シリウス! 折れた足はこれからよ!!」
「くそっ!」
立ち上がれないことがこんなに歯がゆいとは――!
それにしても気になるのはアルタイルが「元弟子」ということだ。ヤツは紫微垣の候補者だったのか?
とにかく、足を治さなければいけない。ミラは相当な集中力で回復してくれている。シリウスもこの腕輪で治癒の術は使えるが、熟達度は彼女の方が上になるかもしれない。
それでも、体の2カ所を骨折しているため時間がかかる。完治するまでに師が耐えきれるか……。
「四の秘剣・破(やれ)十字!」
七星剣がコラプサーに巻き付いた。が、アルクトゥルスが引っ張っても折れない。
「くっ……」
「残念だったな。この魔剣は破十字では折れんぞ」
小馬鹿にしたように言うアルタイル。コラプサーの刀身が太すぎるのだろう。すぐに七星剣をコラプサーから離し、間合いをとる。今度は槍に変形させた。
「三の秘剣・三連突き!!」
穂先がアルタイルを襲うが、かわされる。
「はあ、はあ…やりおるな、アルタイル。わしのもとで修行していた時より腕が上がっておる」
「ふん。俺が強くなったのもあるが、お前が弱くなったんじゃねえのか?」
アルタイルは侮蔑に満ちた表情でアルクトゥルスを見る。
「お前ら紫微垣は、迎撃や守備に重きを置くから、敵を確実に仕留める技がない。相手を殺すための技がなければ俺は殺せねえんだよ」
鋭い指摘だった。ここまで力の差があると、手持ちの秘剣では倒せないだろう。
「それなら…」
アルクトゥルスは剣を元の形に戻した。
「観念したようだな、死ねえ!!」
アルタイルが突進してくる。コラプサーと七星剣が触れそうになった瞬間、アルクトゥルスが叫んだ。
「八の秘剣…」
八!? 八の秘剣だと!? その場にいた全員が驚いた。秘剣は七つまでではなかったのか!?
2人の剣がぶつかると、まばゆい光がほとばしった。