蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「あいつのことよろしくな」

それだけ言うと彼は去っていった。なんだったのだろう。
よくわからないままだったが、きっと桐生さんにとって彼は私との仲も話せるいい友人なのだろう。
今日は彼の部屋に行く日。買い物を済ませると部屋に向かうが途中で電話がかかってきた。

「悠里? 今どこにいる?」

「駅を降りてマンションに向かっているところ」

「わかった。近くにいるから一緒に帰ろう」

彼とは職場の近くで落ち合ったことはない。それでもマンションの近くではこうしてふたりで出歩いたり買い物に行くようになった。
後ろから走ってくる音が聞こえ、振り返ると手をあげながらこちらに向かってくる彼の姿があった。私のところにやってくると買い物なの荷物を何も言わずに手から取り上げる。そして空になった私の手をとり、彼のコートのポケットに入れてくれた。

「悠里の手、冷たいな」

「ごめん」

絡まれた指をポケットの中で解こうと思うとぎゅっと握られてしまった。

「手を繋ぐ理由になるだろ?」

笑いながら話す表情は私にしか見せない顔だ。彼から思われているのだと感じられ、そう思えるようになり幸せだと思う。

「私も寒かったから手を繋ぎたかった」

そう言い返しぎゅっと握り返すと目が合い、そして彼は頭の上でチュッと音がした。
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