蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
新しい関係
彼と正式に付き合い始め、毎日何気ないメッセージのやり取りをするようになった。今までとは違い彼からまめに連絡が来るようになり、私からもするようになった。
お互いシフト勤務なので時間が合わないことも多いが、反対にシフト勤務だからこそ融通が効くような時もあった。
職場では今まで通りの関係を私が望み、そのため彼と会話を交わすようなことはない。けれど、お客様の案内が終わり飛行機を振り返ると操縦席に座る彼と視線が合うようになった。プッシュバックされるまでのわずかな一瞬だが、それだけで毎日幸せな気持ちになる。
彼から言われたように海外への乗務も組まれているため毎回私がゲートにいるとは限らないし、私が毎回タイミングよく振り返れるわけでもない。それでも彼の操縦する飛行機のそばにいると思うだけで幸せな気持ちになった。
直接言えない時も心の中ではいつも「いってらっしゃい」と見送るようになった。
「悠里ちゃん」
小さな声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると結城さんが立っていた。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様。今仕事終わり?」
ちょうど今日の担当の便を見送り、これから事務所に戻るところだった。私が頷くと、彼も私と並び一緒に事務所へ歩き出した。小声で瑛人さんとの仲がうまくいって良かったと言われ焦った。
「桐生から聞いたよ。でも誰にも話していない。あの日俺が付いて行ったからうまくいった?」
「そうなのかな。でもあの日、一緒に食事ができて良かったです。私だけだったらきっと逃げ出していたかもしれないです」
「確かに不安になるよな。でも、前にも話したけどあいつは本当に真面目ないいやつだから。あの見た目だし近づいて来る人も多いけど誘いにのったのは見たことないよ。そんなあいつが選んだんだからよほど君が好きなんだな」
そんな言葉に私は周りをキョロキョロと見回してしまう。
「大丈夫、誰もいないって」
焦る私の反応を楽しむような結城さんを睨むと、そんな様子さえ楽しむように笑っていた。
お互いシフト勤務なので時間が合わないことも多いが、反対にシフト勤務だからこそ融通が効くような時もあった。
職場では今まで通りの関係を私が望み、そのため彼と会話を交わすようなことはない。けれど、お客様の案内が終わり飛行機を振り返ると操縦席に座る彼と視線が合うようになった。プッシュバックされるまでのわずかな一瞬だが、それだけで毎日幸せな気持ちになる。
彼から言われたように海外への乗務も組まれているため毎回私がゲートにいるとは限らないし、私が毎回タイミングよく振り返れるわけでもない。それでも彼の操縦する飛行機のそばにいると思うだけで幸せな気持ちになった。
直接言えない時も心の中ではいつも「いってらっしゃい」と見送るようになった。
「悠里ちゃん」
小さな声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると結城さんが立っていた。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様。今仕事終わり?」
ちょうど今日の担当の便を見送り、これから事務所に戻るところだった。私が頷くと、彼も私と並び一緒に事務所へ歩き出した。小声で瑛人さんとの仲がうまくいって良かったと言われ焦った。
「桐生から聞いたよ。でも誰にも話していない。あの日俺が付いて行ったからうまくいった?」
「そうなのかな。でもあの日、一緒に食事ができて良かったです。私だけだったらきっと逃げ出していたかもしれないです」
「確かに不安になるよな。でも、前にも話したけどあいつは本当に真面目ないいやつだから。あの見た目だし近づいて来る人も多いけど誘いにのったのは見たことないよ。そんなあいつが選んだんだからよほど君が好きなんだな」
そんな言葉に私は周りをキョロキョロと見回してしまう。
「大丈夫、誰もいないって」
焦る私の反応を楽しむような結城さんを睨むと、そんな様子さえ楽しむように笑っていた。