早河シリーズ完結編【魔術師】

▼episode2.父親奮闘記

　元刑事の探偵、早河仁が主人公の早河シリーズはこの話をもって本当にホントの終わりです。
早河シリーズ最後の依頼人は、早河の娘の真愛でした。

　本編シリーズからお付き合いいただいている読者の方は『あの早河がパパしてるーっ！』と感慨深くなることでしょう。
早河はいい父親だと思いますし、いい旦那さんだと思います。

早河は警察学校での寮生活＆独り暮らし歴も長いので料理洗濯掃除、裁縫にアイロンがけと一通りの家事はできます。

一通りなんでもできるんだけど、結婚してからは家のことはなぎさに任せっきりだったので、久しぶりの家事にアワアワ、ワタワタ、していますね。(笑)

早河にできないことってあるのかな……元刑事の探偵なのに女心には鈍感とは散々言われていますね。ちょっと天然入ってるし。そこがいいんですよ、彼は。

　【金平糖】で初登場した有紗もママになってます。有紗の結婚相手は短編集【masquerade】の【キャラメルマキアート】に登場したカフェ店員の加納くんです。

　最後は真愛には辛い結末になってしまいました。でも真愛は早河となぎさの子です。
転んでも擦りむいても、自分で立ち上がる強さを持っている子です。

そういえば、真愛は監禁中にあの貴嶋さんと怖がらずに普通に会話しているんですよね。
犯罪者オーラ出しまくりの貴嶋と初対面で平然と話していたのは美月、莉央、真愛だけだと思います。
……あ。なんかこの人選はわかる気がする。

貴嶋は、真愛のことは面白い子どもだなー、やっぱり早河くんに似ているねぇって思ってニヤニヤしているでしょう。

　真愛の性格は早河となぎさを混ぜるとこうなりました。早河っぽい面となぎさっぽい面がありますね。
でもどちらかと言うと早河のDNAが強いかも。洞察力や勘の良さは早河譲りです。

なぎさが小学生の時は、もっとぽやぽやほわーんとしています。なぎさのお兄ちゃんは大変だっただろうな……だからシスコンになったのかな……（遠い目。）

真愛のパパ大好き感が伝わっているといいな。

　短編集【masquerade】収録の【不夜城ピエロ】では19歳の早河、スピンオフ【mirage】では24歳の早河、本編シリーズでは【白昼夢】の28歳の早河から【魔術師】の40歳の早河まで、19歳～40歳の20年分の早河の人生を描いてきました。

【影法師】での高校時代の回想シーンを含めると17歳の早河も出てますね。17歳の早河は学校帰りに貴嶋とハンバーガー食べてましたね。

　自分とは違う性格の人間の人生を想像して創造することは予想以上に大変で、試行錯誤して生まれたキャラクター達は私の小説の世界で笑ったり泣いたり、葛藤して怒って愛して、怒涛の人生を生きてくれました。

小説のキャラ達はみんな可愛い我が子です。