両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
「ディレクターがさ、色ボケしちゃって。……まぁ、別に仕事は完璧なんだけど」
「――うん?」
直美の勤める中堅アパレルは、この不況の中でも随分と調子がいいと噂は耳に入ってくる。
「吉住さん?」
「うん、そう。やだ、吉住さんが辞めちゃったら本当、私やってく自信あんまりない」
久しぶりに会って、随分静かだったから平穏にしてるんだと思ってたらやけに波乱だな。と私は直美の次の言葉を待った