続お菓子の国の王子様〜結婚に向けて〜       花村三姉妹  美愛と雅の物語
サクラスクエアの地下鉄入口を通ると、カフェBon Bonの前には、左右に長蛇の列ができていた。左の列は進みが早いから、きっとテイクアウト用なのだろう。

 
ロゴマークのトートバッグを肩にかけた人がたくさんいて、小さな子どもたちがBon Bonのぬいぐるみを嬉しそうに抱いているのを見ると、なんだか胸があたたかくなる。まるで、幼い頃の私がそこにいるみたいで……、嬉しくなった。

 
地下鉄のホームで電車を待っていると、前に並んでいた女性グループが全員、Bon Bonのロゴ入りトートを持っていた。そのうえ、彼女たちの会話が自然と耳に入ってくる。

 
「店内に飾られてたポスター、すっごく可愛かったよね。あれ、額縁入りだったよ」

「ロゴマークの由来とか説明も書いてあったよね? まるで恋愛小説みたいだった……」

「ねえねえ、チャーム売ってたら欲しくない? あのロゴマークのやつ!」

 
あのチャーム……!


私が雅さんからもらった、お守りのようなチャーム。それにちなんだロゴマークチャームを、ホワイトデー向けに販売できたら。
そんなアイデアがふっと浮かんだ。

 
バレンタインには間に合わなかったけれど、ロゴマークチャームと、本社でも取引のあるMeuhのキャラメルをセットにして……。
ネックレスやキーホルダーにもできるデザインなら、きっと喜ばれるかも。

 
あっ、それにTシャツもいいかも!ワンポイントで、Bon Bonのぬいぐるみや本社のロゴマークを刺繍したら、すごく可愛い気がする。

 
よし、今夜、雅さんに話してみよう。


あの人なら、きっと……。
ちゃんと真剣に聞いてくれる。
< 59 / 93 >

この作品をシェア

pagetop