続お菓子の国の王子様〜結婚に向けて〜 花村三姉妹 美愛と雅の物語
開店前に、もう一度店内をぐるりと見渡す。
やはり、印象的なのは、2枚のロゴマークポスターと、正面に掲げられたモノクロの写真ポスターだ。
特に目を引くのが、このモノクロの一枚。
写っているのは、俺と美愛ちゃん──まだ幼い彼女と、あのときの俺。
この写真は、俺たちが初めて出会ったときに撮られたものだ。実家で行われた顔合わせの際、久美子さんがこの写真を2面の卓上フレームに入れて、そっと俺に手渡してくれた。
もう1面には、先週料亭の庭園で、あの頃と同じポーズを再現して撮影した、今の俺たちの写真が入っている。どちらも久美子さんが撮ってくれた、大切な記念の一枚だ。
そのフレームは、今も社長室のデスクに飾ってある。
あれから、15年以上が経ったんだな。
さあ、いよいよ開店初日。
お客様たちが、Bon Bonをどう評価してくれるのか胸が高鳴る。
オープン5分前には、すでに店の前に長蛇の列ができていた。
事務所に戻ってスーツのジャケットを脱ぎ、
Bon Bonカラーであるダークブルーのエプロンを着けて、再びフロアへ。
俺と美愛ちゃんの夢が、またひとつ、かたちになった。
開店時刻の10時。ドアが開くと同時に、一気に忙しさが押し寄せた。
気づけば、もう夕方になっていた。
予想を遥かに超える来客数と売上。嬉しい誤算だが、それに対応するため、急きょ伊乃国屋本社のキッチンを借りて明日の仕込みを行うことに決めた。Bon Bonのキッチンも、追加製造のためにフル稼働状態が続いている。
テイクアウトラインは、事前の研修が功を奏し、スムーズに回っている。カフェスペースでは、落ち着いた時間を過ごしてもらえるよう、スタッフの所作や言葉づかいにも細やかに配慮している。
もちろん、お客様への感謝は尽きない。
だが何よりこの日のために、全力を尽くしてくれた従業員たちに、俺は心から感謝している。
目が回るほどの忙しさの中でも、誰ひとりとして不満をこぼさず、笑顔で接客にあたってくれている。
チームが機能し、想いが伝わる。開店初日としては、これ以上ない滑り出しだ。
やはり、印象的なのは、2枚のロゴマークポスターと、正面に掲げられたモノクロの写真ポスターだ。
特に目を引くのが、このモノクロの一枚。
写っているのは、俺と美愛ちゃん──まだ幼い彼女と、あのときの俺。
この写真は、俺たちが初めて出会ったときに撮られたものだ。実家で行われた顔合わせの際、久美子さんがこの写真を2面の卓上フレームに入れて、そっと俺に手渡してくれた。
もう1面には、先週料亭の庭園で、あの頃と同じポーズを再現して撮影した、今の俺たちの写真が入っている。どちらも久美子さんが撮ってくれた、大切な記念の一枚だ。
そのフレームは、今も社長室のデスクに飾ってある。
あれから、15年以上が経ったんだな。
さあ、いよいよ開店初日。
お客様たちが、Bon Bonをどう評価してくれるのか胸が高鳴る。
オープン5分前には、すでに店の前に長蛇の列ができていた。
事務所に戻ってスーツのジャケットを脱ぎ、
Bon Bonカラーであるダークブルーのエプロンを着けて、再びフロアへ。
俺と美愛ちゃんの夢が、またひとつ、かたちになった。
開店時刻の10時。ドアが開くと同時に、一気に忙しさが押し寄せた。
気づけば、もう夕方になっていた。
予想を遥かに超える来客数と売上。嬉しい誤算だが、それに対応するため、急きょ伊乃国屋本社のキッチンを借りて明日の仕込みを行うことに決めた。Bon Bonのキッチンも、追加製造のためにフル稼働状態が続いている。
テイクアウトラインは、事前の研修が功を奏し、スムーズに回っている。カフェスペースでは、落ち着いた時間を過ごしてもらえるよう、スタッフの所作や言葉づかいにも細やかに配慮している。
もちろん、お客様への感謝は尽きない。
だが何よりこの日のために、全力を尽くしてくれた従業員たちに、俺は心から感謝している。
目が回るほどの忙しさの中でも、誰ひとりとして不満をこぼさず、笑顔で接客にあたってくれている。
チームが機能し、想いが伝わる。開店初日としては、これ以上ない滑り出しだ。