The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
翌日。

俺はユーシャへのアプローチを仕掛ける為、とある企画を利用することにした。







「それじゃ、予定していた通り…今日のホームルームでは、来月行われる文化祭準備の為に、まず文化祭実行委員を二人、決めたいと思います」

今年度もクラス委員長を務めるティモニーが、教卓に立ってそう宣言した。

「各クラス、男女一名ずつ出さないといけないのですが…誰かやりたい人、いませんか?」

ティモニーの問い掛けに、しかし、答える者は一人としていなかった。

誰も手を上げない。当然だ。

誰がこんな面倒臭いことをやりたいもんか。

唯一こんな面倒臭いことをやりたがる変わり者のティモニーは、クラス委員長をしているから文化祭実行委員は兼任出来ない。

そしてもう一人。

「…ミューリア、やらないんですか?」

こそっ、と小声でミューリアに尋ねてみる。彼女も目立ちたがりだから、こういうことはやりたがるタイプなのだが。

「やっても良いんだけどね…。今年の文化祭、他クラスの子と出店やろうって誘われてて。そっちでサブリーダーやってるから、忙しいのよ」

成程。既に先約があるらしい。

となると、立候補者が出るはずがなかった。

立候補者がいないと、どうなるか。

「誰かを出さないといけないので、立候補者がいないと…じゃんけんか、あみだくじで決めてもらうことになるんですけど…」

ティモニーがそう言うと、小さなブーイングの声が聞こえた。

ブーイングしても仕方ない。誰かがやらないといけないことなのだから。

すると、

「…ちょっと、あんたやりなさいよ」

「えっ」

ミルクティー少女、ことユーシャは、いじめっ子に背中をつつかれていた。

「あんたどうせ暇でしょ?やりなさいよ」

「で、でも…私」

「これを機に、クラスの皆に受け入れてもらえるかもしれないでしょ」

「だけど…でも、私には…」

ユーシャは何とかして断ろうとしているのに、いじめっ子は容赦なかった。

「ティモニー君!ユーシャがやりたいって!女子の委員はユーシャにしてあげて!」

「!」

ユーシャが断る前に、いじめっ子はクラス中に聞こえる声で叫んだ。

これは陰湿だ。

「ユーシャさん?分かった。じゃあ女子の方はユーシャさんで決まりね」

そして、ユーシャが自分から立候補したと思っているティモニーは、何の疑いもなく女子の欄にユーシャの名前を書き込んだ。

「そんな!私…一言も、」

「頑張ってねーユーシャ。応援してる」

「皆協力してあげるからさ。大丈夫だって」

思ってもない激励をユーシャに送る女子達。

ユーシャが自分から立候補するはずがないと、皆分かっている。分かっているけど、このままユーシャに押し付けておけば自分にお鉢が回ってくることはない。

だから、黙っている。

まぁ、賢いと言えば賢いのだろうが…最低のクズであることは確かだな。

何にせよ、これで女子の欄は埋まった。

あとは、男子だけだ。
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