The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…例えば…そう。俺、以前、煙草吸ってたじゃないですか」

「あぁ…そういえばそうだったな」

幹部組は、煙草は吸ってないのだが。

マフィアという職場柄だろうか。『青薔薇連合会』内の喫煙率は割と高い。

ルヴィアもそうだ。煙草を吸っているところを何度か見たことがある。

とんでもないヘビースモーカーというほどでもなかったし、煙草くらい、仕事に支障が出ないなら本人の自由だと思っていたから、特に気にかけることはなかったが…。

確かに、今ルヴィアからは、煙草の臭いはしない。

「実は禁煙したんです。嫁が、煙草の臭いが嫌いだって言うので…」

「そうだったのか…」

「…でも、やっぱりすぐに禁煙出来た訳じゃないんです」

それはそうだろう。依存性のあるものだし、やめようと思ってきっぱりやめられるものなら、何の苦労もない。

「色々大変なことがあって…。今はやめましたけど」

「…何があったんだ?」

「…それが…」

ルヴィアは、暗い顔でその日のことを話し始めた。




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