The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
しかし。

この場にルレイアを連れてきたのは、間違いだったと悟ることになる。

「それでですね~。俺がピーーしてやると、その女、あんなに強がってたのに泣いて喘いでるんですよ。それで俺もちょっとその気になっちゃって、更にピーーをピーーしてピーーに…」

「…」

とてもじゃないけど、皆様にお聞かせ出来る内容じゃない。

忘れてた。この男がいると、一瞬にして場の空気がR18になるのだと。

何の話してんだ、お前。

この場にいる大多数のメンバーは他のテーブルに散ってどんちゃん騒ぎしてるから聞いてないだろうが、ルレイアと一緒にカウンターに座っている俺とルヴィアは、嫌でもルレイアのエロトークを聞かなければならない

なんて苦行だ。

「そしたら向こうがピーーしてくれって言うから、俺は無理矢理ピーーをピーーして…」

「…ルヴィア。何でも良い…。話題を変えてくれ」

「えっ」

これ以上ルレイアの濃厚過ぎるエロ話を聞いていたら、頭が痛くなってくる。

しかもこのエロ話を、ルレイアはぷんぷんとフェロモンを飛ばしながら話すのだ。

ルレイアの隣に座っている俺は、必然的にそのフェロモン被害の矢面に立たされる訳で。

これ以上ルレイアのフェロモンに侵食される前に…。ルヴィア。何でも良いから話してくれ。

ルレイアのエロ話を頭の中から叩き出したい。

「でも…良いんですか?ルレイアさんが話してるのに…」

「良いんだ。俺が許す。これ以上こいつにエロ話をさせるな」

人的被害が凄まじい。主に俺。

「えー。聞いてくださいよ~ルルシー」

「うるさい。お前はもう喋るな」

ルレイアは不満げだったが、無視だ。

「分かりました。…そうですね。何について話しましょう?」

「何でも良いよ。出来るだけ長い話にしてくれ。ルレイアにエロ話させる隙を与えないように」

「えー!ルルシーひどーい!」

ルレイアは無視だ。

ルヴィアとの会話によって、煩悩にまみれたルレイアのエロ話を頭から叩き出さなければならない。

その為には…。

「じゃあ…あ、そうだ。俺と嫁の馴れ初めでも話しましょうか」

…ん?

ちょっと待てルヴィア…。何でも良いとは言ったが。

惚気話をしてくれとは言ってないんだが?

「あれは、俺が準幹部になったばかりの頃…」

慌てて制止しようとするも、時既に遅く。

ルヴィアは遠い目をして、回想に入ってしまった。
< 488 / 561 >

この作品をシェア

pagetop