The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
俺が眠ってから、30分ほどたった頃だった。
殺意もなければ悪意もなかったせいで…俺は、気づくのが遅れてしまった。
身体の上にのし掛かる体重を感じて、俺は目を覚ました。
「…!?」
目を開けると、俺の上に跨がるようにして、フューニャが乗っていた。
乗っているだけではない。
あろうことか、フューニャは俺の…その、下半身に手を伸ばし、脱がせようとしていた。
暗殺者が来ようと強盗犯が来ようと驚きはしないが、これにはさすがの俺も心臓が飛び出そうになった。
と言うか、何が起きているのか分からなかった。
よく見たら、フューニャ自身も、服をはだけさせて半裸になっていた。
「何やってるんだ…!?」
「動かないでください。私がやるので」
「何を!?」
裏返った声で尋ねると、フューニャはきょとん、と俺の顔を見上げた。
「あら。だっていつまでたっても襲いに来ないから…。あなたは相手に全部やらせるタイプの人なんだと思って」
…だから、何を?
「ちょっ…」
「任せてください。私上手いですから」
「やめっ…やめろ!何やろうとしてるんだ!」
もう少しであらぬところが出されるという際どいタイミングで、俺はなんとかフューニャを止めることに成功した。
「何ですか」
「それはこっちの台詞だ。お前…何をやろうとしてるんだ」
「何って…。若い男性の、暴発寸前の底知れぬ獣のような欲望を、思う存分私にぶつけて解放するつもりだろうと思ったもので」
生々しい言い方をするな。
「何だって…俺がそんなことを」
「だって…あなたはそのつもりで、私を拾ったのでしょう?」
「…は?」
何を今更、という風にフューニャは言った。
「今までも何度か、男性に誘われたことはあります。優しくしてくれたことも。でも彼らはその後、決まって当たり前のように私の身体を求めてきました」
「…」
「男性が私に優しくするのは、そういう下心があるからです。だから私は、それで稼いできました。占いでは、全然お金にならないので…」
誰かが自分に優しくするのは、それなりの見返りを要求しているから。
確かにそれは、裏社会では真理だ。
けれど、俺は断じて。
「…俺の上から降りろ。俺は別に、そんな見返りが欲しいから助けた訳じゃない」
「…」
フューニャは、思ってもいなかったというような…驚いた顔をした。
戸惑いながら、乱れた服装を直し、俺の上から降りた。
「見返りが欲しいんじゃないなら、何で助けたんですか?」
「…」
「…慈悲だとでも言うつもりですか」
慈悲…ね。
捨てられた子犬を見つけたから、拾ってきた。そう思っているのかもしれないが。
「慈悲じゃない。お前が、◯◯市から追い出されたって聞いたから…。あの場所を都市整備したのは、俺の所属する組織だから…。俺達のせいでお前が住んでいた場所を追い出されたのなら、それは申し訳ないことをしたと思ったから」
「…あなたの所属する組織って?」
「『青薔薇連合会』だ」
『青薔薇連合会』は、ルティス帝国では泣く子も黙る非合法組織だ。
しかし、フューニャはその名前を聞いても…顔色一つ変えなかった。
殺意もなければ悪意もなかったせいで…俺は、気づくのが遅れてしまった。
身体の上にのし掛かる体重を感じて、俺は目を覚ました。
「…!?」
目を開けると、俺の上に跨がるようにして、フューニャが乗っていた。
乗っているだけではない。
あろうことか、フューニャは俺の…その、下半身に手を伸ばし、脱がせようとしていた。
暗殺者が来ようと強盗犯が来ようと驚きはしないが、これにはさすがの俺も心臓が飛び出そうになった。
と言うか、何が起きているのか分からなかった。
よく見たら、フューニャ自身も、服をはだけさせて半裸になっていた。
「何やってるんだ…!?」
「動かないでください。私がやるので」
「何を!?」
裏返った声で尋ねると、フューニャはきょとん、と俺の顔を見上げた。
「あら。だっていつまでたっても襲いに来ないから…。あなたは相手に全部やらせるタイプの人なんだと思って」
…だから、何を?
「ちょっ…」
「任せてください。私上手いですから」
「やめっ…やめろ!何やろうとしてるんだ!」
もう少しであらぬところが出されるという際どいタイミングで、俺はなんとかフューニャを止めることに成功した。
「何ですか」
「それはこっちの台詞だ。お前…何をやろうとしてるんだ」
「何って…。若い男性の、暴発寸前の底知れぬ獣のような欲望を、思う存分私にぶつけて解放するつもりだろうと思ったもので」
生々しい言い方をするな。
「何だって…俺がそんなことを」
「だって…あなたはそのつもりで、私を拾ったのでしょう?」
「…は?」
何を今更、という風にフューニャは言った。
「今までも何度か、男性に誘われたことはあります。優しくしてくれたことも。でも彼らはその後、決まって当たり前のように私の身体を求めてきました」
「…」
「男性が私に優しくするのは、そういう下心があるからです。だから私は、それで稼いできました。占いでは、全然お金にならないので…」
誰かが自分に優しくするのは、それなりの見返りを要求しているから。
確かにそれは、裏社会では真理だ。
けれど、俺は断じて。
「…俺の上から降りろ。俺は別に、そんな見返りが欲しいから助けた訳じゃない」
「…」
フューニャは、思ってもいなかったというような…驚いた顔をした。
戸惑いながら、乱れた服装を直し、俺の上から降りた。
「見返りが欲しいんじゃないなら、何で助けたんですか?」
「…」
「…慈悲だとでも言うつもりですか」
慈悲…ね。
捨てられた子犬を見つけたから、拾ってきた。そう思っているのかもしれないが。
「慈悲じゃない。お前が、◯◯市から追い出されたって聞いたから…。あの場所を都市整備したのは、俺の所属する組織だから…。俺達のせいでお前が住んでいた場所を追い出されたのなら、それは申し訳ないことをしたと思ったから」
「…あなたの所属する組織って?」
「『青薔薇連合会』だ」
『青薔薇連合会』は、ルティス帝国では泣く子も黙る非合法組織だ。
しかし、フューニャはその名前を聞いても…顔色一つ変えなかった。