The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
その日帰宅してすぐ、俺はフューニャにこの良い知らせを話して聞かせた。

「フューニャ。上司に話が通ったよ。フューニャの国籍…作ってもらえるみたいだ」

「!本当ですか」

「あぁ」

「…」

フューニャは感極まって泣きそうな顔になっていた。

「…ありがとうございます、ルヴィアさん」

「俺は上司に頼んだだけで、実際動いてくれるのは上司だから」

俺に感謝の言葉を言うのは間違ってる。

しかし。

「ルヴィアさんがいなかったら、私はずっとこのまま…国籍のないままでした。本当にありがとうございます…」

「そんな…フューニャ。俺は大したことは…あ」

「?」

そうだ。思い出した。

「フューニャ。名前…。国籍に登録する名前なんだけど、どうする?さすがに本名で登録する訳にはいかないだろ」

「…名前…ですか」

確か本名は…フューシャ・リフューニャ・ルミリュクァットだっけ。

何処かを切り取るか…。でもルミリュクァットは名字にも名前にも使えないな。さすがに。

「名前はフューシャ…だっけ?名字をどうするか…」

「…フューニャが良いです」

「え?」

「名前…フューニャが良いです」

…え。そうなの?

「良いのか?フューニャって…俺がつけた渾名みたいなものなのに」

「えぇ、だから良いんです…。…あなたがつけてくれた名前だから」

「…」

…まぁ、本人がそれで良いって言うなら…そうするか。

名前はフューニャ、で登録しよう。

残る問題は、

「名字をどうするか、だな…」

ルミリュクァットはさすがに使えない。ルティス帝国では有り得ない響きだから。

フューシャ…も名字に使うのは無理だ。

名前がフューニャだから。繋げて読むとフューニャ・フューシャになってしまう。

「どんな名字が良い?出来れば、ルティス帝国風の…」

「…」

フューニャは、何か言いたそうな顔をした。

しかし…それを口にすることはなかった。

「…少し考えさせてもらえますか。ルティス帝国風の名字と言われても、すぐには出てこないので…」

「…分かった。でも、出来るだけ早めに頼む。…俺も少し考えてみるよ」

「はい」

フューニャの…名字…か。

…一体、どうするべきだろうな。
< 509 / 561 >

この作品をシェア

pagetop