【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……お義姉様」

 そして、エリカが私に向き合ってくる。なので、私が彼女に視線を向ければ、彼女は「……本当に、ごめんなさい」と言って深々と頭を下げてきた。

「お義姉様に、無駄な心配をかけてしまったわ」
「……エリカ。無駄な心配だなんて言わないで」

 そっと彼女の身体を抱きしめながらそう言えば、エリカは「……ふふっ、お義姉様ったら本当に泣き虫ね」と言葉をくれる。

「……泣いてなんて」
「嘘言わないで」

 エリカのその言葉とほぼ同時に、私の頬に温かい涙が伝う。それに驚きながら目元を拭っていれば、エリカは「……でも、そんなお義姉様が大好きよ」と言葉をくれた。

「前も言ったけれど、私はここを出たら働く先を探して、アパートを借りて、暮らすわ」
「……うん」
「……だから、その」

 彼女が何を言いたいのか。私にはわかった。だからこそ、私は「……たまには、お茶でもしましょうね」と笑みを浮かべて告げる。

「えぇ、嬉しいわ」

 そう言って笑ったエリカの表情は、何やら憑き物なのが全て落ちたかのようなほどに清々しくきれいなもの。その表情を見ていると、私も嬉しくなってしまう。

「さぁて」

 私とエリカがどちらともなく笑い合っていると、後ろからロザリア様のそんな声が聞こえてきた。それに驚いて彼女に視線を向けると、「……どうせですし、女子会しましょうか」と突拍子もない提案をしてくる。
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