【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「あっ、シェリル様」
「……サイラスさん、どうしました?」

 私がいろいろと考えていると、ふと目の前からサイラスさんがやってきて声をかけてくれた。サイラスさんは周囲を見渡して「クレアは?」と問いかけてくる。そのため、私は「ちょっと、所用でして……」と答えた。

「……マリンがいないと、いろいろと回りませんね」

 サイラスさんのその言葉は、正しい。基本的にはスケジュール調整などはマリンがやってくれていた。そして、突っ走りやすいクレアのことを止めてくれていた。今、マリンはエリカについてもらっているから、私の元にはいない。

「そうですね。でも、あの子を一人にしておくことは出来ませんから」

 眉を下げて私がそう言えば、サイラスさんは「……お人好し、ですね」なんて零していた。でも、すぐにハッとして「そこが、シェリル様の良いところでもありますが」とフォローしてくれる。……褒められている、のよね?

「シェリル様は、そんなにも彼女が大切なのですか?」

 それからしばらくの沈黙を経て、サイラスさんはそう問いかけてきた。なので、私のは「……たった一人の、異母妹ですから」と答えることしか出来なかった。

「あの子は、あの両親の一番の被害者です。子は親を選べませんから」

 苦笑を浮かべながらそう言えば、サイラスさんは「……まぁ、それもそうですね」と納得してくれる。

「……ただし、何かがありましたら遠慮なく申し付けてくださいませ。この家の者はみな、シェリル様の味方なので」
「……ありがとう」

 最後のその言葉に、私は笑みを浮かべてお礼を言う。実際、その言葉はとても嬉しいもの。だって――実家にいた頃じゃ、考えられないことだったから。
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