【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
 そういうこともあって、私はゆっくりと目を閉じる。ほんの少しだけでも、触れてほしい。その願いが、今少しだけ叶おうとしている。それに、内心で嬉しく思っていると、ギルバート様の手が私の頬に添えられた。

(……好き)

 その気持ちがあるからこそ、こんなにも心が弾むのだろう。

 そして、私がギルバート様と口づけをしようとした時だった。

「旦那様!」

 誰かが慌ただしく執務室に入ってきて、ギルバート様の頭をはたいた。その声は、間違いなくサイラスさんのもので。私が驚いて目を見開けば、サイラスさんは「あ、お邪魔でしたね」と少し気まずそうに眉を下げていた。

「……お前、最悪のタイミングだな」
「……我ながら最高のタイミングだったと思います」

 ギルバート様の恨みがましいお言葉に、サイラスさんは淡々とそう返すと「こちら、お仕事の資料等です」と言って、机の上にドカンと資料を置く。

(すごい量……)

 その資料の枚数は軽く数百枚はあるのではないだろうか。そう思って私が少しだけ引いていると、サイラスさんは「年に一度の、要望書です」と言っていた。……要望書?
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