【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「お義姉様、幸せそうで、よかった」
「……エリカ」
「リスター伯爵は、素敵なお方なのね」
エリカは、噛みしめるようにそう言っていた。だからこそ、私は静かに頷く。イライジャ様と婚約したままだったら、この幸せは絶対に手に入らないものだった。そういう点では、エリカに感謝するべきなのだろう。……素直に感謝できないのは、私の中にエリカへの情があるから、なのかも。
「えぇ、そうよ」
けど、今、エリカが望んでいる言葉はこれだろう。そう思ったからこそ、私は笑みを浮かべてそう言う。その言葉を聞いたからか、側にいたクレアとマリンが嬉しそうな表情をしてくれた。
「お父様とお母様は、リスター伯爵のことをとても恐ろしいお方だとおっしゃっていたわ。……けど、噂は鵜呑みにしちゃダメなことよね」
「……エリカ」
「お義姉様が幸せな婚姻が出来そうで……嬉しい」
そう言って、エリカははにかむ。きっと、周囲の人からすればエリカの言っていることは綺麗ごとであり、今更な言葉なのだろう。でも、私は嬉しかった。本当は、私はエリカを姉として守らなくちゃならなかった。なのに、私は自分のことばかりを考えて。現状に、呆れて、諦めて。エリカのことを……後回しにしてしまった。それが、私の心残り。
「エリカも、きっと……」
「ううん、私は婚姻なんて望んでいないわ。お義姉様の婚約者を一度は奪ってしまったのだもの、そんな図々しいこと、出来ないわ」
首を横に振りながら、エリカはそう告げてくる。……だけど、私はエリカにも幸せになってほしい。お父様やお義母様は別だけれど、エリカにだけは。そういう意味を込めて、私はエリカにゆっくりと近づく。そして――エリカのことを抱きしめた。その瞬間、エリカの目が大きく見開かれるのが、分かって。
「……エリカ」
「リスター伯爵は、素敵なお方なのね」
エリカは、噛みしめるようにそう言っていた。だからこそ、私は静かに頷く。イライジャ様と婚約したままだったら、この幸せは絶対に手に入らないものだった。そういう点では、エリカに感謝するべきなのだろう。……素直に感謝できないのは、私の中にエリカへの情があるから、なのかも。
「えぇ、そうよ」
けど、今、エリカが望んでいる言葉はこれだろう。そう思ったからこそ、私は笑みを浮かべてそう言う。その言葉を聞いたからか、側にいたクレアとマリンが嬉しそうな表情をしてくれた。
「お父様とお母様は、リスター伯爵のことをとても恐ろしいお方だとおっしゃっていたわ。……けど、噂は鵜呑みにしちゃダメなことよね」
「……エリカ」
「お義姉様が幸せな婚姻が出来そうで……嬉しい」
そう言って、エリカははにかむ。きっと、周囲の人からすればエリカの言っていることは綺麗ごとであり、今更な言葉なのだろう。でも、私は嬉しかった。本当は、私はエリカを姉として守らなくちゃならなかった。なのに、私は自分のことばかりを考えて。現状に、呆れて、諦めて。エリカのことを……後回しにしてしまった。それが、私の心残り。
「エリカも、きっと……」
「ううん、私は婚姻なんて望んでいないわ。お義姉様の婚約者を一度は奪ってしまったのだもの、そんな図々しいこと、出来ないわ」
首を横に振りながら、エリカはそう告げてくる。……だけど、私はエリカにも幸せになってほしい。お父様やお義母様は別だけれど、エリカにだけは。そういう意味を込めて、私はエリカにゆっくりと近づく。そして――エリカのことを抱きしめた。その瞬間、エリカの目が大きく見開かれるのが、分かって。