【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……そんなもので、いいの?」
「お義姉様。私、元々物欲は少ない方なのよ。ただ、自分を弱く見せたくなくて、見栄を張っていただけ」

 視線を斜め下に向けて、エリカはそんなことを教えてくれた。……そう、なのね。それに納得して、私は「デザインはどんなものが良い?」と続けて問いかける。

 その後、私とエリカはしばらくの間ワイワイとお話をした。こうやっていると、普通の姉妹になったみたいで、楽しくて、嬉しくて。ずっと昔に思い描いていた未来にたどり着いたのだと、思えた。

 ……しかし、着々と近づいてきていたのかもしれない。エリカに忍び寄る影は、エリカの心を蝕み始めていたのかもしれない。……いや、違う。間違いなく、蝕んでいた。

「……あのね、エリカ――」
「っつ!」

 私が、エリカに声をかけた時だった。不意に、エリカが頭を苦しそうに押さえ始めて。……それに気が付いて、私は慌ててエリカの背中を撫でた。大丈夫。私は、ここにいるという意味を込めた。……体調が悪いと、心が寂しくなる。それは、私も身をもって知っていたことだから。
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