【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……ぃ、や」
「……エリカ?」

 小さく呟かれた「いや」という言葉。それに驚いた私は目を見開き、エリカの名前を呼ぶ。そうすれば、エリカは「いや、いや、いやっ!」と言って首をただひたすら横に振っていた。……どうしたの?

「シェリル様!」

 クレアが私のことをエリカから引き離す。マリンはエリカに近づいて、エリカのことを介抱していた。背中をさすり、肩を抱き寄せる。その姿を見ていると、私の心の中に嫌な予感が駆け巡る。

(……何、これ)

 何だろうか。言葉に出来ない、不気味さだった。あえて言うのならば……空気中に漂う魔力が、歪な雰囲気に変わり始めている。ゆっくりと空気中を漂う魔力が消え始めているのが、私にも分かった。……これ、もしかして――……。

「……呪いや、まじない……?」

 あの時、エリカが私の身体から魔力を奪っていた時。その時に感じた雰囲気と、似たような雰囲気だった。それはつまり、エリカは誰かに呪いかまじないの類をかけられているということなのでは……?

(呪いやまじないの類だったら……確か)

 光の魔力があれば、打ち消すことが出来たはず。

 でも、生憎私の魔力は土でしかなく、光ではない。……どうする? どうする? 必死に頭を動かして、答えを導きだそうとする。そして、導き出した答えは――……。

(……そうよ、ロザリア様よ)

 私の護衛として雇われている魔法使い、ロザリア様を頼るということ。それに限った。
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