【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「シェリル様、聞こえますか?」

 私の手を握って、ロザリア様はそう尋ねてこられた。なので、私はもう一度うなずく。意識は徐々にはっきりとしてきたし、聴覚だけは先ほどからしっかりとしているので問題ない。視界は、少し歪んでいるけれど。

「軽く説明させていただきますので、聞いていてくださいませ」

 ロザリア様はそんな前置きをされると、私が倒れてしまった原因についてお話され始めた。とはいっても、予想出来ていたことではあったのだけれど。

「シェリル様が倒れたのは、『豊穣の巫女』である代償だと思われます。簡単に言えば、土の魔力が弱り始めている、ということかと」
「……ですが、枯渇するのは時期的にまだ早く……」

 サイラスさんのその言葉は、間違いない。それに、エリカに奪われていた魔力は私の体内に戻ってきている。それはつまり、そうそう倒れたりしないということなのだ。

「はい。そう思ったので、私もかなり昔の文献まで漁ってきました。すると、大体八百年ほど前に、同じようなことがあったようなのです。……そして、その時の魔力の枯渇は今までの比ではなかったそうです」

 ロザリア様は凛とした声でそうおっしゃる。ロザリア様は王国が認めた魔法使いなので、一般人では立ち入れない資料庫などにも立ち入れる。多分、そこで調べてくださったのだろう。

「つまり、もしかしたら最悪の事態が起ころうとしているかも……ということです」

 最後に、ロザリア様はそんなお言葉で締めくくった。
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