寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「だから、暁?」
「うん?」
「もう、他の女性に触らせもしないでね?」
きっと、こんな自分は、狂ってる。
でも、今の私には関係がない。
暁を、誰か他の女性に触られる方が嫌だから。
彼女達に向かい伸ばされた手を見た時の、目の前が真っ赤になるほどの、あの激情。
きっと、それは。
「………暁に触れて良いのは、私だけだよ。」
強い独占欲だった。
あの時。
あの瞬間。
私の中で眠っていた闇は、心を真っ黒に染め上げた。