アイドルプロジェクト!
「こちらが最後の部屋になります」

立ち止まった金剛寺さんが最後に案内したのは地下の奥の奥、一番入り口から離れたところにある部屋。

こんな奥深くにあるなんてどんな部屋なんだろう。
どことなく雰囲気がソワソワしだした。


それもそのはず、今までの部屋とは打って変わり鉄でできた頑丈そうなドア。地下だし、中の様子はどこからも確認できないこの部屋。

この奥にはすごいものがあるに違いない。そう思わずにはいられないよ。



ギィ……


金剛寺さんは重そうな扉をゆっくり押した。

薄暗くて最初は何があるのかはっきり分からなかったけど、目が慣れてくるとようやくわかった。


「わぁ……」


感嘆の声が部屋中にこだまする。


そこには数えきれない赤い高級感のある座席、目の前には幕が下ろされた高くて大きな舞台!

そう、なんとここはアイドルが歌って踊る場所、ステージ会場だったのっ!


「す、すごい…」


そんな当たり前の言葉しか今はでてこない。

だって、地下にこんな場所があるなんて誰が予想できただろう。



「ここはステージホールです。オーディションを行う上で使う機会が増えると思うのでよく覚えておいてください」


ってことは、これからこのステージの上で歌ったり踊ったりできるってこと!?

それってすごい…!


まだ、あそこでわたしが歌ったり踊ったりする姿を想像することはできないけど、わくわくがわたしの心の中で大きくなっていく。
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