アイドルプロジェクト!
しばらくすると上に向かう階段が見えてきて、ホッとひと安心。

階段をみんなに続いてのぼる。
結構長くて、息がだんだんきれてきた。


地上に出ると太陽の明るさに目がチカチカした。


階段から出たところは入ってきた場所とは真反対でプロジェクトハウスのエントランスとは反対側だった。
つまり、わたしたちはずっとこのハウスの下を案内してもらってたってことになる。

そう思うと、地下もプロジェクトハウス同様、なかなか広い。

さすがはアイドルオーディションだ。



金剛寺さんは再びプロジェクトハウス内に入ると、さっきまでいたラウンジにわたしたちを案内した。


「今日はまだ初日なのでこの場で解散となります。…ですが、皆さんの紹介をしていませんでしたのでここでしようと思います」

あ、そういえば、と今さらながら気がついた。

自分のことで手いっぱいで正直、自己紹介というものを忘れていた。


辺りを見渡すと自分と同い年に見える子もいれば、ずっと年上に見える子もいる。メイクをして大人っぽくしているのかな。

それにしてもみんなスタイルが良くて髪もツヤツヤ。肌だってきれいで努力しているのがよくわかる。かわいい子ばかりでなんだか自信がなくなりそうだよ。


でも、そんなことは周知の事実!

わたしはわたしの最善を尽くすんだから!



「候補生No.と名前を呼ぶので返事をしてください」


候補生No.?
なんだろう、それ。

疑問はあるものの、そんなものがあるんだと思いながら金剛寺さんの声に耳を傾けた。
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