虐げられてきたネガティブ令嬢は、嫁ぎ先の敵国で何故か溺愛されています~ネガティブな私がちょっぴりポジティブになるまで~
ぼーっとしている間に自室へと到着する。
部屋の掃除やベッドメイキングをしてくれていたリビアが、私を抱えて入ってきたレオナルド殿下に驚いて声を上げる。
「殿下!? それに、クラリス様っ!」
「リビア、ちょうどいい。彼女に白湯と薬を用意してくれ」
「は、はい!」
レオナルド殿下の指示を受け、リビアはぱたぱたと慌てて支度を始める。
その様子をぼんやり眺めていると、私の身体がふかふかのベッドに横たえられた。
「今日は無理をさせてしまったな……悪かった」
私は小さく首を横に振る。
「クラリス様、お薬です」
温かなお湯で薬を喉に流し込むと、すぐに眠気がやってきた。
「おやすみ、クラリス」
そう愛おしそうに呟くレオナルド殿下の声を聞きながら、私は目を閉じる。
意識を手放す瞬間、唇になにか柔らかく温かいものが触れて、同時にリビアの「きゃっ!」みたいな可愛い声が聞こえた気がした。