仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
北斗は沙羅の言った言葉に一瞬言葉を失うほど驚いたようだ。
「…なんだって…前原の娘が…それは本当なのか。」
「…はい。私がマンションから逃げ出した時、入り口に立っていました。」
北斗は沙羅の言葉を聞くと、憤りの表情で顔を歪めた。
「あの親子…なにかしてくるとは思ったが…そんな卑劣なことを!…俺は絶対にあの親子を許さない。」
横で聞いていた太一が声を出す。
「おい、前原って…あの二つ星不動産の奴か?なんで前原がそんな事をするんだ。」
北斗は怒りを堪えるように話を始めた。
「前原は、俺と娘を結婚させることで仕事上のメリットを計算しているのだろう。娘の百合はなぜか俺に執着して諦めないんだ…その二人にむかって俺が言ってしまった言葉が原因で沙羅が狙われたんだろう。……俺は沙羅と結婚すると前原に言ったんだ。」
太一は驚いた表情をしたが、少し何かを考えたと思うと北斗の耳元に顔を近づけて囁いた。
「二つ星不動産をやるなら協力するぞ。」
北斗はいつも温厚な太一の意外な言葉に驚いた。
「…兄さん。なにか考えでもあるのか。」
太一は片方の口角を上げた。
「俺も最近二つ星不動産のやり方に腹が立っていたんだ。そこで前原に弱味が無いかちょうど探っていたところだ。」
「兄さん、何か掴んでいるのか?俺に何かできれば協力させてくれ。」