【Guilty secret】
「……まさか“絵”が関係してる?」
芽依の同級生だった川本未紀の証言と当時の担任教師の朝井の証言を合わせると、ある答えが導き出される。
「芽依の担任教師の証言では芽依は小学3年の秋頃から絵が上手くなったとか。芽依が小学4年の写生大会で優勝した時の絵を写真で見ましたが、小学生が描いたとは思えない芸術的な絵画でした」
『芽依に絵の指導者がいた気配は?』
「彼女が絵画教室に通っていた記録はありません。佐久間家があったあの辺りにも絵画に関する施設はなかったんじゃないかな……」
また彼女は何かが引っ掛かった。小平警察署に勤務していた10年前の記憶を辿る。
あの街には美術系の施設があった気がしてならないのだ。
真紀の隣でスマートフォンの画面を見ていた矢野が口笛を吹いた。彼は真紀にスマホの画面を見せる。
『まーきちゃん。これはもしかすると、もしかするかもしれないねぇ。絵に関する施設なら小平市にあるぞ。日本美術大学』
「日本美術大学……! そう、ここ! 一輝、天才!」
『いやぁ、真紀に褒められると矢野くん嬉し恥ずかしだ。早河さん、これこれ』
早河も矢野のスマホ画面を覗いた。矢野のスマホには日本美術大学の位置情報が載っている。
キャンパスは小平市の鷹の台駅の近く、佐久間家があった町内も大学から近い。
『美大か……』
「美大生? 芽依の周りで日本美術大学に通っていた男がいたのでしょうか?」
『まだ日本美術大の学生だと決めつけるのも早計《そうけい》だろう。ポイントになるのは小学生だった芽依の本当の姿だ』
困惑する真紀とは違って早河は冷静だった。
『ここからは俺の仮説だぞ。全部想像の域を出ない。それを承知で聞けよ。まず芽依は母親の聡子からネグレクトを受けていたと仮定する。ネグレクトと言っても食事を与えない、家に閉じ込める、無視をするなど様々だが、この場合は極端に子どもに手がかけられず親の愛情が不足していたと考えよう。父親の晋一も子ども嫌いで芽依への関心がなかった』
矢野が早河の話をホワイトボードにまとめる。以前はこの役目は早河の助手のなぎさが務めていた。
ホワイトボードに被害者の聡子を母、晋一を父と書き記し、芽依(娘)への矢印で→ネグレクトと書かれた。
芽依の同級生だった川本未紀の証言と当時の担任教師の朝井の証言を合わせると、ある答えが導き出される。
「芽依の担任教師の証言では芽依は小学3年の秋頃から絵が上手くなったとか。芽依が小学4年の写生大会で優勝した時の絵を写真で見ましたが、小学生が描いたとは思えない芸術的な絵画でした」
『芽依に絵の指導者がいた気配は?』
「彼女が絵画教室に通っていた記録はありません。佐久間家があったあの辺りにも絵画に関する施設はなかったんじゃないかな……」
また彼女は何かが引っ掛かった。小平警察署に勤務していた10年前の記憶を辿る。
あの街には美術系の施設があった気がしてならないのだ。
真紀の隣でスマートフォンの画面を見ていた矢野が口笛を吹いた。彼は真紀にスマホの画面を見せる。
『まーきちゃん。これはもしかすると、もしかするかもしれないねぇ。絵に関する施設なら小平市にあるぞ。日本美術大学』
「日本美術大学……! そう、ここ! 一輝、天才!」
『いやぁ、真紀に褒められると矢野くん嬉し恥ずかしだ。早河さん、これこれ』
早河も矢野のスマホ画面を覗いた。矢野のスマホには日本美術大学の位置情報が載っている。
キャンパスは小平市の鷹の台駅の近く、佐久間家があった町内も大学から近い。
『美大か……』
「美大生? 芽依の周りで日本美術大学に通っていた男がいたのでしょうか?」
『まだ日本美術大の学生だと決めつけるのも早計《そうけい》だろう。ポイントになるのは小学生だった芽依の本当の姿だ』
困惑する真紀とは違って早河は冷静だった。
『ここからは俺の仮説だぞ。全部想像の域を出ない。それを承知で聞けよ。まず芽依は母親の聡子からネグレクトを受けていたと仮定する。ネグレクトと言っても食事を与えない、家に閉じ込める、無視をするなど様々だが、この場合は極端に子どもに手がかけられず親の愛情が不足していたと考えよう。父親の晋一も子ども嫌いで芽依への関心がなかった』
矢野が早河の話をホワイトボードにまとめる。以前はこの役目は早河の助手のなぎさが務めていた。
ホワイトボードに被害者の聡子を母、晋一を父と書き記し、芽依(娘)への矢印で→ネグレクトと書かれた。