飴ちゃん食べる？～よろしく焼肉ホスト部♡
　天野お母様が私の存在に気がついた。そして目を見開き口に手を当てる。

「あ、唯の彼女や……ゆっくりしていってな？」

　かの……じょ？

　天野スミス唯は何も反応せずに「ついてこい」と、目で合図してきた。店の奥へ行くとドアがあり、そこを開けると普段ご両親が生活をしているっぽい、リビングが現れた。階段を上がると部屋に入る。

「ここ、俺が使ってた部屋」と言いながら荷物を床に置く天野スミス唯。私も荷物を置いた。

　部屋は白を基調にした家具が置いてあって、綺麗な雰囲気。棚や机に音楽のDVDがたくさん置いてある。

　この部屋で過ごしていたんだ――。

　ちなみに今、最強三つ子の他のふたりは高校の寮で暮らしているけれど、彼は高校の近くのアパートで一人暮らしをしていた。寮の規則がめんどうくさいからって理由で。

「なぁ、俺の代わりに肉の焼き方教えてもらって？」
「……何を言っているの？　どうして？」
「いや、めんどうだから」

　ここまで来て、今更めんどうだとか。本当に何を言っているの？
　
　天野スミス唯は下を向く。私は彼の視線の先に回り込んだ。

「な、なんだよ！？」
「本当の理由を教えてくれないと嫌だ。っていうか、一緒に教えてもらお？」

　私は天野スミス唯の手を強く引っ張って、彼の両親がいる場所へ連れて行った。
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