好きを教えて、生意気なきみ

【第10話】好きは強い

パパにキスシーン(未遂)を見られたあたしと渚。



瞬間的にバッと2人離れた。



うわーん、恥ずかしいし気まずい…。



渚が「は、初めまして…」とものすご~くバツの悪そうな顔でパパに挨拶した。



「陽鞠さんとお付き合いさせていただいてる、小原 渚です」

「陽鞠の父です…」



パパと渚が微妙な空気のままお互い軽くお辞儀した。



「パパ、おかえりー! 疲れてるでしょ! 早く家入ろ!」



あたしはそう言ってパパを無理やり家の中に押し込んだ。



「渚、今日はありがとね! また電話する! バイバーイ!」



そのままバタンと家のドアを閉めた。



うう…気まずい…。



父親にキスシーン(未遂)を見られる高校生の娘なんてあり得る…?



しかもあたしからしようとしてたの!



「パパ…何か…見た?」

「…見てない」



パパの目が泳いでる~…。



もう絶対家の前でイチャイチャしない!



あたしはパパを置いて2階の自室に駆け込んだ。



結局キスできなかったし…。



ベッドの上で足をバタバタさせた。



楽しかったけど踏んだり蹴ったりだー!
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