恋は揺らめぎの間に
慶人君はふう…と息をついた。
「…もし、卒業式の時に会えていたら、違ったのかな?」
「…そうかもしれないね。」
あの日。ちゃんと慶人君と話していたら、何か違ったかもしれない。慎司君に会わなかったら、今が違ったかもしれない。けれどどれもタラレバの話だ。
慶人君にはきっと、私みたいなうじうじした人間じゃなくて、もっと素敵な人が現れるだろう。私にはとても、もったいない人だったから。
「もし…」
慶人君がじっと私を見つめてくる。
「もし牧瀬君と何かあったら、僕はいつでも歓迎するからね。」
「ふふっ。」
なんでもサラッとこなしてしまう慶人君が、駄々をこねているようで思わず笑ってしまう。
「そんなことがないようにするね。」
さようなら、私の初恋。
あなたのおかげで、私の青春はとてもキラキラしたものになりました。