あの子の成績表
1が『あまりよくない』2が『ふつう』3が『よい』という三段階評価です。
「これが、どうかした?」
穂波はあまり学校に来ないのでこの辺りの評価はあまりよくないようです。
そこには触れずに私はそう聞きました。
「こんな欄、あったっけ?」
穂波が指差したのは一番最後の『友達と仲良くできる』という欄の更に下にありました。
目で読んでみると『人間的評価』と書かれています。
「えっと、ちょっと待ってね」
私は今もらってきたばかりの成績表を広げて確認しました。
一番最初に目につくのはやっぱり科目毎の評価です。
ザッと見ただけで3と4が多いことを確認して、それから成績表の右側を確認しました。
そこには『進んで行動することができる』『責任感がある』『身の回りのことがひとりでできる』『友達と仲良くできる』と書かれているだけで、その下には先生からのコメント欄があるだけです。
『友達と大切にできる、優しい子です。勉強も頑張っていて、進んで発言できます』
と書かれていて、嬉しい気持ちがこみ上げてくる。
「そんな欄、私の成績表にはないよ」
穂波と同じように科目ごとの評価が見えないように折り曲げて見せると、穂波がため息をはきました。
「これ、なんだと思う? マイナス100とか書かれてるんだけど」
「これが、どうかした?」
穂波はあまり学校に来ないのでこの辺りの評価はあまりよくないようです。
そこには触れずに私はそう聞きました。
「こんな欄、あったっけ?」
穂波が指差したのは一番最後の『友達と仲良くできる』という欄の更に下にありました。
目で読んでみると『人間的評価』と書かれています。
「えっと、ちょっと待ってね」
私は今もらってきたばかりの成績表を広げて確認しました。
一番最初に目につくのはやっぱり科目毎の評価です。
ザッと見ただけで3と4が多いことを確認して、それから成績表の右側を確認しました。
そこには『進んで行動することができる』『責任感がある』『身の回りのことがひとりでできる』『友達と仲良くできる』と書かれているだけで、その下には先生からのコメント欄があるだけです。
『友達と大切にできる、優しい子です。勉強も頑張っていて、進んで発言できます』
と書かれていて、嬉しい気持ちがこみ上げてくる。
「そんな欄、私の成績表にはないよ」
穂波と同じように科目ごとの評価が見えないように折り曲げて見せると、穂波がため息をはきました。
「これ、なんだと思う? マイナス100とか書かれてるんだけど」