無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
多分、淡々とお互いの〝いつも通り〟の生活をこなすのだろう。
一緒に過ごす相手がいくら好きな人であるとはいえ、相手はそうではないのだから。
なんの偶然か分からないけれど、クラスメイトと同居するようになったってだけの話だもん。
……きっとそうだよねっ。
「こっちが俺の部屋みたいだな。
朝倉の部屋はそっちっぽい」
二階にたどり着き、染野くんが指をさしながらそう言った。
私たちの部屋には、すでにベッドや机などが並べられていた。
きっと、すでにお母さんたちがセッティングしておいてくれたのだろう。
私のわがままを受け入れてくれたうえ、ここまでしてくれたお母さんたちには頭が上がらない。