無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


お母さんたちが仕事で使っていたとはいえ、家具はすべて新品のように綺麗だった。


ゴミや埃もほとんどなかったから、きっと事前に掃除をしておいてくれたのだろう。


おかげで、晴れ晴れとした気持ちで新生活を始められそう。



「家事の役割決めてもいい?」

「……え、は、はいっ」



突然そんなことを言い出した染野くんに、ワンテンポ遅れて返事をする。


し、失礼かもしれないけど、家事はすべてやらされるんだと思ってた……っ。


この生活に、染野くんも色々協力してくれるんだな。


てっきり、私と同居って形になっちゃったから、ほったらかしにされるかも、なんて思ってたよ。

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