無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


琴葉ちゃんによると、ただでさえ女嫌いだと有名みたいなんだ。


それなのに、私なんかに、冗談でもあんなことをするような人じゃない。


なんであんなことになっちゃったんだろう、なんて考えていても仕方がないんだ。


だって、あれはただの事故だもん。


そうだよっ、故意に起きた出来事じゃない。


リビングに着くと、真っ先にテーブルに並べられた朝ご飯が目に入った。


ご飯とお味噌汁という、簡単すぎる朝ご飯。


本当は食べていきたい。


だけど、食べていたら、絶対に染野くんと鉢合わせることになる。


そうなると、さっきのことがフラッシュバックしてしまう。

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