無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
あいにく、私の今の家は逆方向だ。
「ごめんね、私はこっちなんだ。
また会おうね、琥珀くん」
「そうなんですね。
それでは、また会いましょう」
琥珀くんは少し名残惜しそうな顔をしていたけれど、私たちは笑顔で手を振りあって別れた。
うーんっ、楽しかったな。
時計を確認すると、十二時を少し回っていた。
お昼ご飯は、軽く食べるだけでいいかな。
パンケーキでだいぶおなかは満たされたしっ。
パンケーキおいしかったなぁ……。
琥珀くんと颯太先輩にも会えて、楽しかった。
ついさっきまでのことを振り返りながら、私は家までの道を歩いていた。