無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


朝倉がこの間、このソファで寝落ちした理由もよくわかる。



あのときの朝倉は無防備すぎて、内心結構あせった。



まず、上の服がふわふわしていたし。



下の服はズボンで、いつもと雰囲気が違くなったから驚いた。



初めて会ったときは、スカートだった気がする……。



……って、何考えてんだ俺。



気持ち悪……。



自分に嫌悪感すら抱いていたとき、「染野くん……っ!」と俺の名前を呼ぶ朝倉の声が聞こえた。



反射的に、声のした方を振り返り、そちら側へと足を運ぶ。



朝倉は、テーブルに袋に包んだお弁当箱を二つ並べ、片方を俺に差しだしてきた。




「あの、迷惑だったら断ってくれていいんだけどね……」




そう切り出した朝倉は、眉を下げて俺に話しだす。




「染野くん、確かいつも購買のパンでお昼すませてるでしょう……?

それだとおなかがすかないかなって思って……」


< 272 / 486 >

この作品をシェア

pagetop