無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


恋に、落ちた瞬間だった。


どくどく、とさっきとはまた違う、速い鼓動の音が聞こえる。


……好き。


染野くんは、私の命を救ってくれた大切な人。


一瞬にして、そう思えた。


でも、恋なんて1回たりともしたことがない私だ。


こんなにも一瞬で人を好きになるものかと、不思議に思ってしまっている。


伝えるのは今じゃなくていい。


もっともっと、先でいい。


だけど、心の底からそう思えた私のもとに、〝先〟なんて訪れることはなかった。

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