苦手な上司にプロポーズすることになりました
 長閑な時間が流れているな、と思う。

 あの公園のぼんやりした彼女がいいなと思ったのは、二人で、こんな風に、ゆっくり過ごせそうだと思ったからのような気がする。

 だが、見た目は、すごいやり手のキャリアウーマンみたいだが。

 せっせと芽が出てしまった芋を隠滅している薬川とも、そんな時間が過ごせているような――。

 でもまあ、別に好みじゃないし。

 向こうも俺みたいな面倒臭い男はごめんだろう、と思いながら、芋を埋める佑茉の背を眺めていた。
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