兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした



「と、いうわけで、事件も解決したことだし、そろそろあんたの気持ちもききたいなと思ったんだけど」

 犯人が捕まり、ニーシャが家に戻る日になった。ノアールはニーシャが寮内で使っていた部屋に来て、冒頭の言葉を口にした。ノアールにそう言われたニーシャは、ノアールの顔を一瞬見てからすぐに目をそらして、顔を少しあからめながら視線をあちこちに泳がせている。

「ええと、あ、その前に、犯人を捕まえてくださってありがとうございました。これで安心してまた仕事ができますし、家でもゆっくりすごせます」

 ニーシャは嬉しそうにそう言ってペコリとお辞儀をする。

(こういう所も本当に律儀だよな)

 きっと、ニーシャのこういう所にいつの間にか惹かれてたんだろうな、とノアールは心の中で思った。

「いや、事件が解決して本当に良かった。ニーシャの安心した笑顔も見れたし」

 フッとノアールが微笑むと、ニーシャはそれを見て顔をさらに赤くする。

(あー、なんでそう素直なのかな、可愛いの塊か。素直すぎて心配になる)

「それで、ニーシャの俺に対する気持ちは?別に俺のこと好きじゃなくても全然大丈夫だよ。俺、失恋するの慣れてるし」

(なんて、ここで振られたら今度こそもう立ち直れないかもな)

 心の中でそう呟くと、ノアールはニーシャをジッと見つめる。ニーシャはもう目線をそらすことなく、静かに口を開いた。

「私も、……私もノアールさんのこと考えると胸がドキドキして、顔も熱くなってしまって、どうしていいかわからないと言いますか、たぶん、ノアールさんのこと、好き、です」

 ニーシャの答えを聞いて、ノアールは思わずニーシャを抱きしめた。

「ノアールさん!?」
「ごめん、嬉しすぎて無理」

 ぎゅーっと抱きしめると、ノアールの腕の中でニーシャが慌てている。

(やばい、好きになるって、好きになってもらうって、こんなに幸せなことだったんだな)

 抱きしめを堪能したノアールは、静かに体を離してニーシャを覗き込んだ。

「ノアールさん?」

 いつかの夢のように、ニーシャが自分の名前を呼ぶ。ノアールはそっとニーシャの白い頬に手を添えた。

(柔らかいし、暖かい)

「なあ、キスしてもいいか?」
「はい!?」
「嫌ならしないよ」
「わ、わからないですよそんなこと急に言われても」
「じゃ、してみる」

 そう言って、ノアールは驚いているニーシャにそっと口づけた。ゆっくり唇を離すと、ニーシャは顔を真っ赤にしている。

「嫌だった?」
「嫌じゃ、なかったです」
「ならよかった」

 そう言って、ノアールは嬉しそうに笑いまたニーシャに口づけた。


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