ただ、一面の青。

「どうしたの?一人じゃ言えねー?」

「あ、あの…」

迫るタイムリミット。

「あの、、あの…」

言わないと。でも、逃げ出したいという感情がそれを拒む。

そんな私を青くんが冷たく見つめるから、どうにか声を絞り出した。

「…はい…青く、、サクくんと一緒に居たいです」

自信のない呟きに、それでもよく出来ました、と言わんばかりに背中を撫でられ、緊張からやっと解放される。

「じゃ、行こう」と差し出された手を掴めば固く握り締められて、それもやっぱり手を繋ぐと言うより囚人の手錠に近い。

「サクまじかよ〜」

そりゃないよ、と麟太郎くんが呆れた顔。

皆の間を割るように手を引かれ出口に向かう。視線が刺さる。その背中に届いた声。

「なぁ、サクの奴『本気の相手』出来たって事?」

「流石に違うだろ。関わりないし」

「え、でもあの子連休中に街で会った子でしょ?サクの事知ってたっぽいけど」

「…え、まじ?」

戸惑い。

「皆で遊んでるんだから空気読んで欲しいよね」

「ホントそれ。折角麟太朗くんが誘ってくれたのに可哀想」

「どうせサクの気まぐれでしょ?」

「遊びだよ、遊び。明日にはフラれてるって〜」

嫉妬。

「っていうか、身の程弁えろって」

怒り。


——最悪なのは、『佐久間 青の本命』と勘違いされる事。
< 21 / 59 >

この作品をシェア

pagetop