ただ、一面の青。

再会なんてするべきじゃなかったのかも。
お互い知らない場所で、私が青くんの幸福を願ってるくらいが丁度良かったのかもしれない。

こんな身に過ぎた幸運。私ばかりが嬉しい出来事。
きっと後で帳尻合わせるように不幸がやって来る。


それでも抑えきれなかった。


「青くん……大好き」

こんな事を言って今更何になるのだろうか。でも、湧き上がる気持ちに蓋をしても、心の隙間からどんどん溢れ出てしまう。

「大好きだよ、青くん…」

ずっと伝えたかった。一度でいいから直接言いたかった。
青くんにとって何の意味を持たないと分かっても、止めれなかった。


「青くんの為なら、何でもできるよ…」

手の甲に落ちていく涙を眺めながら口にすれば、青くんが手をもう一度握った。ぎゅう、と最初の時みたいに強く力を込めて。


「菜乃花」

小さく呼ばれた名前。

聞き間違えかと、驚きと期待で弾かれるように彼を見ると、その瞳には陰鬱とした翳り。

「何でもできるなんて、簡単に口に出すなよ」

「…でも、本当に…私青くんの為なら…」

私の言葉を聞いた青くんは泣き出しそうな気配の後、ごくりと唾を飲み込んで、嘲笑を浮かべた。


「じゃあ、死んで?」


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