Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
濡れた髪を乾かし、最後に美容バサミで全体を整えてもらった。ゆるふわに巻かれた髪に艶と動きが出るようにいい香りのヘアオイルを付けてもらって完成だ。先ほど化粧をしてもらったときにも感じたけれど、これまでの自分とはほど遠く、暫し見惚れてしまった。
「うん、やっぱりいいですね。とっても可愛らしくてお似合いですよ?」
「……あ、ありがとうございます」
「並樹さまが驚かれますね?」
「え」
そうなのだろうか。彼は貴公子で、これまでにうんと綺麗な女性を見ているだろうから、ただ「いいね」と言って微笑むだけな気がする。
「初めてですよ。並樹さまが女性のお客さまを連れて来られるのは」
「そ、そうなんですか?」
「ええ。私どもの間では氷の貴公子なんて呼び名もあるぐらいで。あんなに優しく笑われるのも初めて見ました」
言いながら笹野が肩をすくめて苦笑する。
意外だった。想乃の前ではあの微笑が定番スタイルなので、冷たいイメージなど微塵もなかった。
「それだけ浅倉さまを大切に想われているのですね」
笹野はどこか嬉しそうに頷き、想乃を待合室へと案内した。
「うん、やっぱりいいですね。とっても可愛らしくてお似合いですよ?」
「……あ、ありがとうございます」
「並樹さまが驚かれますね?」
「え」
そうなのだろうか。彼は貴公子で、これまでにうんと綺麗な女性を見ているだろうから、ただ「いいね」と言って微笑むだけな気がする。
「初めてですよ。並樹さまが女性のお客さまを連れて来られるのは」
「そ、そうなんですか?」
「ええ。私どもの間では氷の貴公子なんて呼び名もあるぐらいで。あんなに優しく笑われるのも初めて見ました」
言いながら笹野が肩をすくめて苦笑する。
意外だった。想乃の前ではあの微笑が定番スタイルなので、冷たいイメージなど微塵もなかった。
「それだけ浅倉さまを大切に想われているのですね」
笹野はどこか嬉しそうに頷き、想乃を待合室へと案内した。