Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
壇上を華やかに演出するスポットライトや背後に建てられた金屏風に目が行き、中央の演台にはマイクスタンドが用意されている。そしてその演壇から降りた先に置かれた黒いグランドピアノ。
想乃は人知れず目を見張り、再び込み上げる緊張の二文字をゴクンと飲み込んだ。ちょうどそのとき。
「慧弥! 想乃ちゃん!」
背後から快活な声が響き、ピクッと肩が揺れた。「姉さん」や「黎奈か」という彼らの反応に促されて、想乃も振り返った。
赤いパーティードレスで着飾った黎奈が、手を振りながら近づいてくる。
思わず見惚れた。完璧だと思ってしまう。
華やかな化粧やジュエリーは勿論のこと、ラメ入りのパウダーで肌を美しく見せているのが、いかにも彼女らしい。鎖骨や肩先、腕のところどころがきらきらと光っていた。
黎奈に続いて、母性に溢れた中年の女性とスーツを着た紳士も歩いてくる。女性は可愛らしい女の子と手を繋ぎ、紳士は幼い男児を抱きかかえていた。
女性はおそらく、並樹家で働くベビーシッターだろう。そして、その紳士は黎奈の夫である木場晴彦だ。ナミキホールディングスでは専務の肩書きを担っている。
想乃は人知れず目を見張り、再び込み上げる緊張の二文字をゴクンと飲み込んだ。ちょうどそのとき。
「慧弥! 想乃ちゃん!」
背後から快活な声が響き、ピクッと肩が揺れた。「姉さん」や「黎奈か」という彼らの反応に促されて、想乃も振り返った。
赤いパーティードレスで着飾った黎奈が、手を振りながら近づいてくる。
思わず見惚れた。完璧だと思ってしまう。
華やかな化粧やジュエリーは勿論のこと、ラメ入りのパウダーで肌を美しく見せているのが、いかにも彼女らしい。鎖骨や肩先、腕のところどころがきらきらと光っていた。
黎奈に続いて、母性に溢れた中年の女性とスーツを着た紳士も歩いてくる。女性は可愛らしい女の子と手を繋ぎ、紳士は幼い男児を抱きかかえていた。
女性はおそらく、並樹家で働くベビーシッターだろう。そして、その紳士は黎奈の夫である木場晴彦だ。ナミキホールディングスでは専務の肩書きを担っている。