Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
想乃は、フィッシング攻撃でパスワードを入力してしまった件を話した際、日記についても慧弥に打ち明けていた。彼に内容を読ませることはできなかったけれど、書くのをやめた理由は伝えていた。
「美海に日記の存在を明かしたのは、Xだと思う」
「……え?」
「想乃に干渉していたのと同じように、Xは日記サイトの存在とアカウントの正体を、美海にメールで教えたんだろう」
想乃は言葉を失ったまま、目を大きく見開いた。手の中にあるチョコの包みも開けられず、固まっている。
慧弥が小さく息をつき、彼女の手からチョコを受け取ると、包みを開けてそっと口元に運んだ。
口の中でとろけるような甘さが広がる。
「だって。こんな偶然があると思う? たまたまネットの海から、美海がそのサイトにたどり着き、たまたま読んだ日記で想乃だと見当をつけるなんて。確率的に考えても、かなり低い」
「確かに……」
指先についたチョコを舐める慧弥を見て、想乃はこくりと頷いた。
グラスに残るアルコールをひと口飲むと、さっきまでのチョコの甘みが残っていたせいか、思いのほか酸っぱく感じた。
グラスを置いた瞬間、慧弥が身を寄せる。
わずかに顔を傾け、彼の唇が重なった。
「可愛いね」
優しくそう囁き、慧弥は彼らしい笑みを浮かべた。
「美海に日記の存在を明かしたのは、Xだと思う」
「……え?」
「想乃に干渉していたのと同じように、Xは日記サイトの存在とアカウントの正体を、美海にメールで教えたんだろう」
想乃は言葉を失ったまま、目を大きく見開いた。手の中にあるチョコの包みも開けられず、固まっている。
慧弥が小さく息をつき、彼女の手からチョコを受け取ると、包みを開けてそっと口元に運んだ。
口の中でとろけるような甘さが広がる。
「だって。こんな偶然があると思う? たまたまネットの海から、美海がそのサイトにたどり着き、たまたま読んだ日記で想乃だと見当をつけるなんて。確率的に考えても、かなり低い」
「確かに……」
指先についたチョコを舐める慧弥を見て、想乃はこくりと頷いた。
グラスに残るアルコールをひと口飲むと、さっきまでのチョコの甘みが残っていたせいか、思いのほか酸っぱく感じた。
グラスを置いた瞬間、慧弥が身を寄せる。
わずかに顔を傾け、彼の唇が重なった。
「可愛いね」
優しくそう囁き、慧弥は彼らしい笑みを浮かべた。